
我々、株式会社ロータス・サーマル・ソリューションは、大阪大学発のベンチャー企業で、半導体の熱問題の解決により脱炭素と高性能化を両立する熱のソリューションプロバイダーである。独自の放熱材料を有し、その材料を用いた冷却器として、サーバーの消費電力を著しく低下(PUE=1.04)させる液浸冷却技術、電気自動車のSiC-PCUを実現する高熱流束(700W/cm^2)対応ベイパーチャンバー技術を有する。
2025年現在、国内電力需要の5%程度といわれるデータセンターによる電力消費は、2040年頃には、国内総使用電力量と同程度の電力を消費する可能性が懸念されおり、グリーントランスフォーメーション(以下、GXという。)実現のための技術ソリューションとしてデータセンター・サーバーの液浸冷却技術が内閣府GXビジョン2040で強く推奨されている。 液浸冷却では、PCを絶縁冷媒に浸漬させ、冷媒によりPC全体を冷却すると共に特に発熱密度が大きなCPU・GPUはその自身の熱により冷媒を沸騰させ、気化熱で冷却することにより、液冷却の十倍以上の冷却効果が得られる。さらにこの時、沸騰した蒸気をエアコンや機械式冷却すなわち圧縮機(コンプレッサー)を使用すること無く、40℃程度の外気で凝縮、冷却が可能なため、空冷、水冷のような既存のサーバー冷却システムと比較して、電力消費量を大幅に低減させることができ、CO2の削減に寄与できる。 これまでに我々は、この液浸冷却のコア技術となる沸騰冷却促進体(沸騰冷却器)を世界で初めて商用化し、国内、台湾での先行販売に成功した。現在は、さらに熱設計を深化させ冷却性能を高めたサーバーシステムを開発し、世界一の放射光施設である東北大Nanoterasuでの実証事業を開始した。開発を通し、沸騰冷却促進体だけでなく、我々自身が世界一の高性能・省電力化液浸サーバーの販売を目指している。